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だれが「本」を殺すのか

だれが「本」を殺すのか.jpg

著者: 佐野 真一著
本体価格: \1,800
出版:プレジデント社
サイズ:四六判 / 461p
ISBN:4-8334-1716-2
発行年月:2001.2.15 3刷01/3/3

●地方出版が出版界を救う?

久しぶりに読み応えのある1冊だった。ただし、2年前に出版された書籍なので、内容が古くなっている部分があるのが残念。例えば、bolの撤退、bk1の安藤店長のさらなる転職、など。出版されてすぐに読むべきであった!
特に参考になったのは、「第四章 地方出版」。地方出版というと、郷土史やその地方のガイドブックを出している出版社、という程度の認識しかなかったが、独自のポリシーをもって出版活動に取り組んでいる人たちが結構いることを教えられた。大量に作って全国にばら撒くのではなく(その分、大量の返品を迎えることになる!)、「売れる数を出版する」という無明舎出版の姿勢は、出版に限らず、経済活動の本質をつく言葉でもある。金太郎飴的な大量生産と40%を超える返品率に「支えられた」現在の出版経済学から脱却するヒントが、この言葉にあるような気がする。
それにしても、よくぞここまで多方面に取材したな、というくらい、充実した内容である。出版業界に住む人間はもちろんのこと、出版社、取次、書店への就職を目指す学生・転職希望者は、予備知識として是非、押さえておきたい。でも、内容が濃すぎて、この業界に対する基礎的な知識がないと、ちょっと難しいかも。

(03/6/6)【蔵】

<この本の詳細>
http://www.bk1.co.jp/product/2446169/p-gotoy52446
http://www.bk1.co.jp/product/2446171/p-gotoy52446
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